日銀が今回の会合で、YCCの目標レンジを広げるのではないかという観測が一部で出ていた
本日(4月28日)、日銀(日本銀行)は金融政策決定会合の結果を公表しました。
一部では、今回の会合でYCC(イールドカーブコントロール)の目標レンジを±0.25%から広げるのではないかという観測が出ていました。
日銀は以前にもレンジを広げたことがありましたが、この時は、金融政策を変更したのではないかという見方が広がり、一時的に円高になりました。
今回も変更があった場合は、円高になるのではないかと市場関係者は結果に全神経を集中していました。
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日銀が予想外に毎営業日の指し値オペ実施を決定し、急激に円安が進んでいる
結果は、現状の政策を維持するというものでしたが、それ以上に声明文の中に以下のような記述が追加されました。
連続指値オペの運用の明確化
引用元:日銀「当面の金融政策運営について」
上記の金融市場調節方針を実現するため、10年物国債金利について0.25%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施することとした
毎営業日の指し値オペは明らかに予想外のことで、市場も相当動揺しています。
まさか、ここまで明確に金融緩和姿勢を鮮明にするとは思いませんでした。
これを受けて、急激に円安が進んでいます。それぐらいの衝撃がこの発表にはあったということです。
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日銀は日本においての物価高は一時的なものであって、来年には、物価はまた目標値を下回ると考えている
また、日銀は本日、同時に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を発表しました。
そこに書いてある見通しは、2021年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)を+0.1%(1月は0.0%)とし、22年度見通しを+1.9%(1月は+1.1%)、23年度を+1.1%(1月は+1.1%)、24年度を+1.1%としています。この数字の説明は以下の通りです。
物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、携帯電話通信料下落の影響が剥落する2022年度には、エネルギー価格の大幅な上昇の影響により、いったん2%程度まで上昇率を高めるが、その後は、エネルギー価格の押し上げ寄与の減哀に伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。この間、変動の大きいエネルギーを除いた消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率・賃金上昇率も高まっていくもとで、食料品を中心とした原材料コスト上昇の価格転嫁の動きもあって、プラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
引用元:日銀「経済・物価情勢の展望(4月、基本的見解)」
つまり、日銀は日本においての物価高は一時的なものであって、来年(2023年)には、物価はまた目標値を下回ると考えていることが分かります。
だから、金融緩和を続けるのだという説明をしているわけです。
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米ドル/円は130円どころではなく、135円、140円が視野に入ってきた
日銀がこれほどの金融緩和姿勢を見せたことで、局面はまた変わったと思います。
米ドル/円は1米ドル=130円どころではなく、135円、140円が視野に入ってきました。
米ドル/円のロングポジションをキープする方針です。
(出所:TradingView)
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