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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演の
注目ポイントは、講演の内容を市場がどう解釈して
反応するか! 相場のことは、相場に聞くしかない!

2022年08月26日(金)18:15公開 (2022年08月26日(金)18:15更新)
陳満咲杜

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ジャクソンホール待ち、世間に流れる推測のすべては、憶測にすぎない

 ジャクソンホール待ちで、市況は、まだら模様。そして、いつものように巷では見方が分かれ、憶測と噂に満ちている。

 株にしても、米ドルにしても、「これから暴落に違いない」とか、「いや、暴騰するだろう」といった断定的な見方がもてはやされ、いかにも「市場が間違い、俺のほうが賢明で正しい」と言わんばかりの論者が注目される。が、これこそ正常であり、また大きな市況を期待できる状況であるから、平常心で対応していきたい

 ところで、FRB(米連邦公開市場委員会)議長さんが、今晩(8月26日)何を話すかということや、基調に関しての推測のすべては、憶測と片付けた方がよいと思う。

 たとえ地区連銀総裁であっても、コメントする内容が議長さんの話とまったく違ったりするなど、前例を上げたらきりがない。ましてや、いち民間人の推測なんかを気にする必要は、まったくない。

パウエルFRB議長の話の内容より、その後の市場の反応が大事

 とはいえ、今回のFRB議長さんの講演は重要であろう。その重要さは、話自体のいわゆるタカ派、あるいはハト派ではなく、話が済んだ後、市況がどう反応するかにある。

 やや過激ではあるが、実は市況次第で、FRB議長さんの話をタカ派、あるいはハト派のどちらにも解釈できるから、マーケットの反応の方がはるかに大事だ。

 まだら模様が続いているから、ジャクソンホール会議後、より鮮明なサインを点灯してくれる、という期待感から言う重要さである。

 もっとも、一番、現実的な話としては、パウエル議長は従来の主張を繰り返し、タカ派すぎ、あるいはハト派すぎと誤解されないよう、慎重に言葉を選び、無難な内容とする可能性が大きい。

 したがって、マーケットは、マーケット自体の内部構造に基づいて、ブレイクすべき方向にブレイクしていくので、議長さんの話自体より、単にタイミング待ちというか、ブレイク待ちを狙っている可能性の方が大きい。

パウエルFRB議長

ジャクソンホール会議でのパウエル議長の話の内容自体より、その後の市場の反応の方がはるかに大事だ(C)Bloomberg/Getty Images News

 市況次第で、話に関する解釈もいくらでも変えられるから、事後的な解釈も、実にどうでもよい。

 つまるところ、相場のことは相場に聞くしかない。ゆえに、チャートを点検しておきたい。

米ドル/円はいったん割り込んだサポートラインの延長線に、もう1回トライしようとしているが…

 米ドル/円の日足におけるポイントは、やはりメインサポートラインをいったん割り込み、足元でその延長線にもう1回トライしようという点である。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 しかし、RSIなどオシレーター系指標が示す弱気ダイバージェンスのサインを完全に否定できない限り、上値限定のように読み取れる。

 また、直近の値動きは、プライスアクションの視点では「インサイド」(日本のチャート理論では「はらむ」に相当)のサインが点灯し、これからブレイクの方向が重視されるだろう。

米ドル全体の上昇一服があれば、豪ドルの続伸が一番有力視される

 主要外貨のうち、豪ドルの優位性が注目される。ユーロや英ポンドなどで米ドルに対する2022年年初来安値更新が確認されたなか、豪ドル/米ドルは0.68ドル台半ばに留まり、重要なサポートゾーンを再確認していたと思われる。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 同サポートゾーンは、5月や6月安値に近いから、まだ性急な見方かもしれないが、下げ止まりがあれば、7月安値を「ヘッド」と見なした「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」の可能性さえあり得る。

 直近の日足を観察すればわかるように、8月23日(火)に安値へトライしてから大きく切り返し、前日の日足を「かぶせた」形で「強気リバーサル」のサインを点灯させ、翌日24日(水)のチャートと「インサイド」のサインを点灯した。

 昨日(8月25日)の続伸は、同サインの上放れを果たしているから、仮に米ドル全体の上昇一服があれば、豪ドルの続伸が、一番、有力視されるとみる。

ユーロ/円は、再度8月安値133.40円をトライする可能性も

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の代表格のユーロ/円は、明らかに複合型「三尊天井」を形成しようとしているだろう。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン

 ジャクソンホール通過後、137円台後半~138円台前半のレジスタンスゾーンを早期上放れしない限り、再度8月安値133.40円をトライする可能性が高まるだろう。

 ジャクソンホール待ちはブレイク待ちなので、ブレイク前にあれこれ言っても、あまり意味がないかもしれない。今回は、これにて失礼する。市況はいかに。

(14:15執筆)

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