米ドル/円は徐々に底固めしながら時間をかけて150円に
戻っていく展開か。当面は行き過ぎた円高と株安からの
反動局面の時期に入ってくる可能性が高い！

2024年08月15日(木)12:33公開 (2024年08月15日(木)12:33更新)

今井雅人

9月FOMCでの利下げは既定路線で注目は追加利下げの回数に

昨日（8月14日）、注目の7月米CPI（消費者物価指数）の発表がありました。結果は、総合が前年比+2.9％、コアが+3.2％となり、予想より若干弱い結果となりました。ただ、結果が想定内であったということもあり、マーケットの反応は非常に冷静でした。

これは、元々9月のFOMC（米連邦公開市場委員会）での利下げをすでにほぼ織り込んでいること、そして、IMM（国際通貨先物市場）のポジションなどでもわかるように、投機的な円売りポジションがほぼ解消していることなども冷静な動きとなった原因だと思われます。

シカゴIMM通貨先物ポジション推移（日本円）

今回の結果を受けて、9月のFOMCで政策金利0.25％の引き下げは既定路線となり、今後の焦点は追加利下げが年内1回か2回のどちらになるのかというところに移ってきたと考えています。

この議論に関しては、少し先のことになるため、当面、米国の金融政策に関連したマーケットの混乱はいったん落ち着いたと考えています。

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次に日銀についてです。日銀は周知のとおり、国債の買入額減額と同時に政策金利の引き上げを決定し、マーケットに大きな動揺を与えました。
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こうした混乱に対して、内田日銀副総裁が火消しに走っていたことからも分かるように、日銀は今回の判断についてかなり反省をしたのだと思います。
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ここまで、ややバブル気味であった円安と株高を静観したまま放置し、そうした姿勢が逆に副作用を起こした途端に極端な政策変更をするというお粗末な対応をしてしまったわけで、今後はかなり慎重になるのは間違いありません。

その点から考えると、日本サイドからのマーケットへのかく乱要因は当面なくなったと考えていいと思います。

以上のことを整理すると

①米国の利下げは確実になってきたが、これはすでにマーケットは織込んでいる
②日銀は当面政策変更は行わない
③投機的な円売りポジションはかなり解消されている

ということです。

この状況を総合すると、当面は行き過ぎた円買いと株売りからの反動の時期に入ってくる可能性が高いということになります。

ただ、日本と他の国の金利差が今後縮小していくことは確実です。ですから、以前のような一方的な円安のトレンドには戻らないと思います。

そのことを前提としながらも、当面はやや円安方向に相場が向かっていくという予想をしています。

米ドル/円は当面、148円台がレジスタンスになるとは思いますが、徐々に下値を固め、少し時間をかけて150円に戻っていくとい展開を想定しています。

米ドル/円日足

（出所：TradingView）

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