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西原宏一_メルマガ取材記事
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

土曜日の会合でギリシャ支援延長ならず!
ギリシャ破綻なら、ユーロ相場はどう動く?

2015年06月28日(日)13:06公開 (2015年06月28日(日)13:06更新)
ザイFX!編集部

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■土曜日のユーロ圏財務相会合でギリシャ支援の延長ならず

 ギリシャ問題の雲行きが一段と怪しくなってきた。

 このところ、ずっと協議が続けられてきたギリシャ債務問題だが、2015年6月27日(土)に行われたユーロ圏財務相会合でも、ギリシャ支援の延長について合意には至らなかった。

 ギリシャはユーロ圏などが求める財政改革案について、7月5日(日)に国民投票を実施することを決定。その期日まで金融支援を延長するよう求めたのだが、拒否された形だ。

 このタイミングでギリシャ債務問題が盛り上がっているのは、6月30日(火)までにギリシャはIMF(国際通貨基金)に対し、15億ユーロ以上の返済を行わなければならないため。ギリシャの資金は枯渇しているため、金融支援が延長されなければ、ギリシャはデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高い。

 6月30日(火)までは本日(28日)を含め、まだ3日あるものの、ギリシャデフォルトの可能はかなり高まってきた。

 ギリシャ各地では預金を引き出そうと、ATMに市民の長い行列ができているとも報じられている。

■ギリシャ問題はどこかで合意に至る見方が強まっていた

 ギリシャがデフォルトして、最終的にはユーロ圏から離脱したり、EU(欧州連合)から離脱するようなことになっていけば、ギリシャにメリットがないため、このところの金融市場では、なんだかんだ言っても、ギリシャ支援は合意に至るだろうとの見方が強まっていた。

 たとえば、以下の記事で西原宏一さんは「ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります」と解説していた。

【参考記事】
フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(2015年6月25日、西原宏一)

 今井雅人さんも以下の記事で「市場関係者の中では、ほぼどこかで、何らかの妥協案で落ち着くのではないかという受け止め方になってきている」という市場の見方をやはり紹介している。

【参考記事】
日本株上げ相場の終焉は、どう予測する? ギリシャ問題決着の市場への影響は軽微(2015年6月25日、今井雅人)

■週明けのユーロ相場は窓を開けて始まるのか?

 ユーロ/米ドルの動きは複雑で、最近はギリシャ支援合意観測が強まると、ユーロが下がり、ギリシャ破綻観測が強まると、ユーロが上がるような場面も一時、見られたりした。

 実際、ユーロ/米ドルは1.04ドル台まで大きく大きく下落した3月上旬までの動きとは異なり、1.08ドル台~1.14ドル台で乱高下するレンジ相場になっている。これはギリシャ破綻を本格的に織り込んだ動きにはなっていないように思えるのだが…。

ユーロ/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

6月27日(土)のユーロ圏財務相会合決裂はインパクトがありそうで、週明け、6月29日(月)のユーロ絡みの相場は窓を開けてスタートする可能性もありそうだ。

 月曜朝は日本時間午前7時ぐらいから取引が開始されるFX会社が多いが、中にはサクソバンクFX証券のように、日本時間午前3時(夏時間:午前4時)から取引できるFX会社もある。

 このようなFX会社に口座を開設しておき、週末の大事件、大問題に対処しやすいよう、準備を整えておくのも大切なことかもしれない。

■ギリシャ破綻ならユーロ/ドルが1000pips下落との見方も

 ギリシャがデフォルトしたら、為替相場はどう動くのだろうか? これを予想するのは、案外難しいようだ。

 以下の記事で西原宏一さんは「ギリシャがデフォルトしても、思ったほどユーロは売られないという意見が増えてきました」と市場のコンセンサスを紹介している。

【参考記事】
ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場! 支援合意でユーロ下落のシナリオも…(2015年6月23日、西原宏一&松崎美子)

 その一方、以下の記事で西原宏一さんはゴールドマンサックスがレポートの中で以下のような見方をしていると紹介している。

・ギリシャがデフォルトとなった直後には、ユーロ/米ドルは300pips急落する

・ギリシャのデフォルト対策として、ECB(欧州中央銀行)がQE(量的緩和策)を大幅増額すれば、ユーロ/米ドルは数週間のうちに、さらに700pips下落するかもしれない

 つまり、ゴールドマンサックスはギリシャが破綻したら、合計1000pipsもユーロ/米ドルが下がる可能性がある、と指摘しているわけだ。

【参考記事】
フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(2015年6月25日、西原宏一)

西原さん自身はQE(量的緩和策)の影響があるため、ギリシャ問題とは別にそもそもユーロの下落リスクは高いとの見方をしており、ユーロショートのポジションが目下大幅に縮小していることも、ユーロ下落のリスクを高めていると解説している。

【参考記事】
ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(2015年6月23日、西原宏一&松崎美子)

 そして、「ギリシャのデフォルトとなり、マーケットに強い負荷がかかってリスクオフとなれば、ユーロ/円が急落する可能性が濃厚」との見解だ。

【参考記事】
フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(2015年6月25日、西原宏一)

ユーロ/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足

■合意しても決裂してもユーロは売りとの見解も

 また、陳満咲杜さんはギリシャ支援が「合意できた場合、ユーロはキャリートレードの対象として売られ、決裂した場合は、EU圏の不確実性で売られる」との見方。つまり、合意しても決裂しても、結局、最終的にはユーロは売られるとの見解だ。

【参考記事】
ギリシャ問題は合意でも決裂でもユーロ安。上海株暴落! 中国株バブル崩壊にご用心(2015年6月26日、陳満咲杜)

 そして、松田哲さんは現在の状況を以下のようにとらえており…

ギリシャ問題も、いずれ(解決しないまでも)最悪状態を抜けるのではないか、といった期待感も先行しているのだろう、と推量する。

ギリシャ問題はもつれているが、仮にギリシャがデフォルトしても、たいしたことはない、と考えているのかもしれない。

 結論としては、以下のようなユーロ/米ドル売りのトレードを推奨している。

難しい局面だが、高値更新水準にストップ・ロス(損切り)を置いて、「ユーロ売り/米ドル買い」が正攻法だと考える。

【参考記事】
1.2ドルを上抜けなければユーロ/米ドルは下落トレンド継続! 目先の正攻法は?(2015年6月24日、松田哲)

 どうも、市場には「ギリシャ問題はどうせ何とかなるし、仮にギリシャが破綻しても大したことはない」という楽観ムードが漂っていたように記者個人には感じられる。

 実際、IMFへの返済期限である6月30日(火)にはまだなっておらず、土壇場の土壇場の土壇場で、ギリシャ支援延長が決定される可能性もあるのかもしれない。

 ただ、状況は予断を許さぬものとなっており、6月29日(月)からのユーロ相場は一荒れあるかもしれないと思われる。

(ザイFX!編集部・井口稔)

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