■コロナ変異種、ロンドンは3度目のロックダウンへ
週末、米追加経済対策で与野党が合意との報道が流れてきました。
2021年1月5日(火)投票のジョージア州上院決選投票で、民主党が勝てばトリプルブルーとなるため、来年(2021年)までもつれるとの見方もありましたが、今夜(12月21日夜)議会で採決される見通しとなりました。
決選投票は共和党優位と伝えられていましたが、接戦となってきたようです。
今朝(12月21日朝)の英ポンドは、対米ドルで100pipsほど下窓を開けて始まっています。
米経済対策に進展はあったものの、英国で拡大するコロナ変異種はロンドンを3度目のロックダウンへ追い込むなど深刻です。
(出所:TradingView)
日経平均も10時時点で下げ幅が100円を超えています。今夜の米株の動きに注目ですね。
■今夜テスラがS&P500に採用。調整入りか
先ほど、ロサンゼルスの友人とミーティングしていたのですが、カリフォルニア州は大半がロックダウンとなり、集中治療室も満杯で医療崩壊に近い状態。3月を思い出して怖い、と話していました。
そのわりに、先週(12月14日~)のマーケットは強かった。米株も下がらないですね。
本日(12月21日)からテスラがS&P500に採用されます。
これをきっかけに株式市場は調整入りへとの見方も多く、個人的にも同感です。
【参考記事】
●英ポンドに妙味あり! ノーディールなら対米ドルで1.25ドルくらいまで下落か(12月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
●株式市場の調整は、月末の今日にも始まる!? ワクチン接種開始でセル・ザ・ファクトか(11月30日、西原宏一&大橋ひろこ)
テスラは、先週末も史上最高値を更新しました。
S&P500採用というイベントを控える中でしたが、1日の売買代金は14兆円。
東証全体の1日の売買代金平均が2~3兆円程度ですから、とんでもない数字です。
(出所:TradingView)
テスラはバブルだとする声もありますが、一概にそうは言えません。
iPhoneは当初、「電話にしては機能が複雑すぎる」と酷評されていましたが、電話機を超えてライフスタイル全体を超えるガジェットとなりました。
テスラも同じく、単なる自動車ではなく、生活全般を変える可能性が高い。
「ダイヤモンド社で13時から打ち合わせ」と入力してあると、時間になれば自動運転でダイヤモンド社まで連れて行ってくれる、そんなイメージです。
【参考記事】
●爆上げテスラに異変!? 外国株は空売り可能? CFDなら上がっても下がってもチャンス!
●爆上げ中のテスラ株はバブルか? 本物か? CFDなら売り買い自在にテスラを取引可能!
●イーロン・マスクCEOに大麻騒動!? 株価は10%下落。テスラ株をカラ売りする方法は?
■S&P500はIPOの多い年の翌年に下がりやすい傾向
先週(12月14日~)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)がありました。
FOMCメンバーの見通しも、2023年いっぱいまでゼロ金利を継続するとのシナリオが大半でした。
今後も、基本的に米ドルが弱いだろうということが確認できましたね。
英国ではブレグジット交渉が、まだまとまりません。
動きがあるかと思い、土曜日(12月19日)の朝まで起きていましたが、何も起きませんでしたね。
僕も含め、ノーディール(合意なし)はないだろうとの見方が大半。
英ポンドもノーディールは織り込んでいません。
【参考記事】
●英ポンドに妙味あり! ノーディールなら対米ドルで1.25ドルくらいまで下落か(12月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
今週(12月21日~)、英議会が招集されれば、合意のサインではないかとの意見もあります。
テスラとブレグジット、今週がヤマ場かもしれませんね。
【参考記事】
●クリスマス前にブレグジット合意は実現!? 合意なら英ポンド/ドルは1.40ドルを目指す(12月16日、志摩力男)
米株のシーズナル・ファクター(季節要因)では先週まで上昇し、今週来週で調整するとの解説が話題となっています。
ラリー・ウィリアムズなどがそう見ているようです。
S&P500は1月下落のパターンが多く、特にIPO(新規株式公開)件数が300社を超えた翌年はリターンが鈍化する傾向があるようです。
IPO時には関係者に3カ月から半年程度のロックアップ(市場での売却禁止条項)が課せられることが多く、それが解除されることで売り圧力が高まりやすい、ということのようです。
【参考記事】
●今週は、米ドル高が進む可能性もありそう。EUサミットやECB理事会は見逃せない(12月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
■ビットコイン、史上最高値を更新
先週は、ビットコインも話題となりました。2万ドルを超え、史上最高値を更新しています。
(リアルタイムチャートはこちら → 暗号資産リアルタイムチャート:ビットコイン/米ドル(BTC/USD) 日足)
個人が中心だった2017年バブルと違い、今回の相場は機関投資家が中心のようですね。
私が所属していた東南アジア最大手のDBS銀行でも、デジタル証券取引所の開設を発表しました。
機関投資家向けの取引所となるようです。
ゴールドからビットコインへ動いたマネーも多く、10月以降に金ETF(上場投資信託)ら70億ドルが流出する一方、ビットコインの投資信託を手掛けるグレースケールには20億ドルが流入したそうです。
機関投資家からの需要で上がっている相場ですから、当面は強いのかもしれないですね。
■英ポンドが上がれば、英ポンド/豪ドルのショートを想定
WTI原油も株と同様、ワクチン相場で上がっているのですが、怖いのは銅や鉄鉱石、さらには三菱重工や川崎重工、IHIなど防衛関連銘柄も上がっていること。
有事を想定した相場なのでしょうか?
違うと思います。
友人と話しているのは、中国のインフラ需要の強さ。
コロナで止まっていた経済が再開したことで、インフラ投資が活発化しているのではないでしょうか。
【参考記事】
●英ポンドに妙味あり! ノーディールなら対米ドルで1.25ドルくらいまで下落か(12月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
トランプ大統領が署名した「中国軍関連企業への投資を禁止する」との大統領令が1月11日(月)から施行されます。
これで行き場を失ったチャイナマネーがビットコインに流れているとの説もあります。
その説は、ありそうですね。
今週の戦略は、どう考えますか?
ブレグジット交渉の行方を見たいですね。
なんらかのニュースで英ポンドが上がれば、英ポンド/豪ドルのショートを想定しています。
一番強い通貨=豪ドルと、一番弱い通貨=英ポンドの組み合わせですね。
【参考記事】
●豪ドル、鉄鉱石急騰を受けて上昇継続!長期では水素燃料関連の報道も買い材料に(12月17日、西原宏一)
(出所:TradingView)
■「2021年のFX・投資作戦会議!」をライブ配信!
さて、12月19日(土)はダイヤモンド社から「2021年のFX・投資作戦会議!」をYouTubeで無料ライブ配信しました。
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【参考記事】
●西原宏一×大橋ひろこの無料ライブセミナー開催決定! 2021年のFX・投資戦略を語る!
(構成/ミドルマン・高城泰)
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