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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円は、129円~135円前後でもみ合う局面へ。
その後は米国の経済次第、深刻な景気後退入りなら
125円割れ、インフレ抑制が最重要なら140円超えへ

2023年03月30日(木)17:27公開 (2023年03月30日(木)17:27更新)
志摩力男

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YouTube動画「週刊!志摩力男」では、志摩さんがより注目しているテーマをピックアップし動画で解説していますが、今回は3月28日に開催した「ライブ配信!志摩力男」の中から、金融危機と米ドル/円相場の見通しをテーマにした部分を編集した動画を公開しています。最新コラムとも連動していますので、ぜひご視聴ください。


米銀2行破綻、クレディスイス救済合併という驚くべき事態に金融市場は揺れた

 米銀2行(SVB、シグネチャー銀行)の破綻とクレディスイスの救済合併という驚くべき事態が発生し、金融市場は揺れました。

 この銀行破綻のニュースを聞いた時、瞬間的に描いたシナリオは以下の通りでした。

(1)金融システム不安なので金利は低下する。3月22日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では政策変更なしということもあるかもしれない
(2)株価は少し下落するだろうが、金利低下の恩恵を受けてナスダック等のハイテク・グロース株は上昇し、バリュー株の方が売られることになるだろう
(3)米ドルは米金利低下を受けて下落する。対局にある円がもっとも買われる可能性がある
(4)銀行に対する規制・監督を強化するということになるので、金利は低下しても、銀行の貸出態度は引き締まる。「信用収縮」が始まる
(5)「信用収縮」の影響で、米国資産価格は下落するかもしれない。特に、不動産への審査が厳しくなるなど、不動産へのローンが絞られると、コロナ後に急騰した米不動産市況が怪しくなる
(6)「信用収縮」で景気は減速するので、インフレは自然に落ち着く

 その後、何が起こったのでしょうか。点検してみます。

もっとも影響が大きかったのは米金利でしょう。3月7日(火)~8日(水)に行われたパウエル議長の議会証言での発言がタカ派的(利上げの加速、ターミナルレートの上昇示唆)だったこともあり、その後の金利低下は劇的でした。

年末のFF金利(※)は、パウエル議長の議会証言後、5.50-5.75%予想でしたが、現在は4.25-4.50%となっています。

(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は125円がポイントとなり、割り込んだ場合はさらなる円高リスクも! 好調に見える米国経済に「波浪警報」!? 米金利に天井が見え、米ドル安に(3月24日、志摩力男)

 米2年債利回りは、米銀2行破綻前は5.08%に達していましたが、3.56%へと急低下し、現状4.10%前後です。米10年債利回りは4.09%から3.29%へと低下し、現状3.58%です。

米2年債利回り 日足
米2年債利回り 日足

(出所:TradingView

 米ドル/円は、議会証言後の3月8日(水)高値137.90円をピークに3月24日(金)129.64円前後まで下落し、現状132.60円前後へとリバウンドしています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 一方、株価の反応は限定的です。NYダウは議会証言前の3月6日(月)は3万3500ドル前後でしたが、3万1500ドルへと下落し、現状3万2700ドル、S&P500は4050ポイント前後から3810ポイントへと下落し、現状4027ポイント、ナスダック総合指数は1万1800ポイント前後から議会証言後の3月13日(月)に1万1000ドル前後へと下落しましたが、SVB破綻後は金利低下を受けて上昇し、現状1万1920ドルです。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:TradingView

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「信用収縮」が始まるのは今年の夏から秋にかけてか

 冒頭に挙げた(1)から(3)までのシナリオは、ほぼ想定通り。問題はここから先です。

 米銀2行破綻直後は、思考がショートカットし(6)までいってしまいましたが、落ち着いて考えると、(4)から先は「信用収縮」を前提とした、少し中期的な話です。

 「信用収縮」がまず、本当に起こるのかどうか、起こるにしてもどの程度なのかという問題があります。通常、信用収縮が始まるにしても3カ月から半年ぐらいはかかるでしょう。

 よって、目先の経済指標を見ても、「信用収縮」が反映されることはありません。実際、経済指標に反映されるのは、今年(2023年)夏から秋にかけてとなります。

 また、どの程度「信用収縮」が深刻なものとなるか、その深さはわかりません。推測だけになります。もとより、米国経済は強い。特に雇用の強さは異常です。米国経済を減速させるぐらい「信用収縮」が進むのかといえば、現状でははっきりとはわかりません。

 SVB破綻直後は、「これはきっと米国のバブル経済を揺るがすものになる」と考えがワープしましたが、破綻した米銀2行はテック系に深入りした、少し特殊な銀行だったことを考えると、全面的な信用不安につながるかといえば、確信には至りません。

 現在、マーケットはFRB(米連邦準備制度理事会)が7月もしくは9月にも利下げを開始し、来年(2024年)中頃には現状の4.75%から3%前後まで政策金利が低下すると予想しています。

 しかし、先日のFOMCでは、パウエル議長は「信用収縮」を警戒はしつつも、年内の利下げを否定しています。

3月FOMCで、パウエルFRB議長は「信用収縮」を警戒はしつつも、年内の利下げを否定していた(C)Bloomberg/Getty Images News

3月FOMCで、パウエルFRB議長は「信用収縮」を警戒はしつつも、年内の利下げを否定していた(C)Bloomberg/Getty Images News

 ゴールドマン・サックスも、最新レポートでは米景気後退確率を引き上げましたが、25%が35%になっただけです。「向かい風であって、ハリケーンではない」と言っています。

 もちろん、景気後退派もたくさんいます。

 米投資会社ダブルライン・キャピタルの共同創業者のガンドラック氏は数カ月後に米国経済は景気後退入りすると言っています。

ガンドラック氏、数カ月以内の米景気後退入り予想-年内数回利下げも

(出所:Bloomberg

 トランプ政権下でNEC(米国家経済会議)長官で、元ゴールドマン・サックスのCOO(最高執行責任者)を務めた、ゲーリー・コーン氏はソフトランディング派でしたが、ハードランディングの可能性が高まったとCNBCで語っていました。

 今後は、「信用収縮」の深度と、米国経済の強さを天秤にかけることになるのでしょう。

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今後は米国経済次第。米2年債利回りの動向に注視

 問題は、向こう数カ月です。景気後退も経済指標でははっきり出てこない中、推測しながら進むことになります。時には、異様に強い経済指標も出てきたりするのでしょう。

 米2年債利回りが5%を超えるようことは、しばらくないでしょう。相当強い経済指標が連発し、「信用収縮」はないという確信がなければ、そうはなりません。

 しかし、ガンドラック氏が言うように、景気後退に突入するという確信も持てません。よって、米2年が3.5%をすぐに割ってくることもないのかなと思います。

 米2年債利回りが3.5-4.5%前後でもみ合いとなるのなら、米ドル/円もそれに合わせて129-135円前後のもみ合い局面入りとなるのでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 もちろん、米国が深刻な景気後退に入ることがはっきりすれば、125円を割るような円高になるでしょう。

 その時、米2年債利回りは3%前後、もしくはもっと低下すると思います。反対に「信用収縮」がほとんど影響なく、インフレ抑制が最重要となるなら、再度米2年債利回りは5%を超え、そのときは米ドル/円も140円を超えてくることになるのでしょう。

 いずれにしても、どうなるかは今後の米国経済次第ということになります。


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