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トランプ2.0がついに始動!
1月20日)(月)にトランプ大統領が就任して、これまでの世界とはまったく違う世界になってきたと思います。
トランプ大統領の就任演説はやりたいことを詰め込んだ内容で、ある意味でトランプ大統領のやる気が伝わってくる就任演説だったと思います。
1月20日就任式の演説はトランプ大統領がやりたい政策を詰め込んだ内容だった (C)Mark Wilson/Getty Images
トランプ大統領のやりたいことというのは、ひとつは国境政策で不法移民を排除するということ、次は関税を引き上げることです。そして、その次は減税と規制緩和で景気を刺激することになります。その後に、米ドル/円や米ドル/人民元のレートが高すぎるの調整が入ってきます。
それから、ダボス会議でオンライン会見をしていましたが、原油を掘って資源価格を押し下げることを掲げていました。OPEC(石油輸出国機構)が協力するかどうかは疑問ですが、OPECの協力も得て資源価格が落ちれば、ロシアも継戦能力がなくなるので、ウクライナの戦争も終わります。そうなると資源価格、コモディティ価格が世界的に落ちて、そうするとインフレが収まってFRB(米連邦準備制度理事会)も利下げすることができます。
そういう世界になってくれば、米ドルも下落させることができて最終的には競争力を失ってしまった米国内産業の人たちでも、輸出能力が改善して普通に働いて普通に暮らせる世界が実現できるので、そういった世界を目指してるのではないか思います。
ただ、それをすぐに現実にできるかどうかといえば難しいものがあるので、まずはインフレにならない程度に動くとすれば、国境政策がやりやすいところだと思います。
それからバイデン政権は政府支出がすごく大きかったのですが、それによって景気を意図的に加熱させて大統領再選に利用していた部分があったと思います。そこはトランプ大統領は削減していくと思いますし、これから先、政府職員をどんどん減らしていく、解雇する方向にもっていくのだろうなと思います。
実際には、リモートでの出勤ていうのを認めないようにして、嫌なら辞めてという形でイーロン・マスクさんがX(旧ツイッター)でやったようなことを政府職員に対してやっていくのだと思いますので、そうなると米国の雇用は少し悪化するかもしれません。
米雇用統計は民間部門と政府部門に分けて、部門別の雇用者数が統計に出てきますが、今後は政府部門がマイナスになってくるかもしれません。そこに注目していきたいと思います。
DeepSeekショックはなぜ起こったのか?
目先のマーケットでは、今週に入ってからDeepSeek(ディープシーク)ショックが起こりました。
以前からDeepSeekは知っていましたが、月曜日に急にショックになったのかがよくわかりませんでした。
ただ、DeepSeekがAIの新モデルを発表して、それがすごく性能が良くてアップルストアのダウンロード数が1位になったと、これはすごいということで、実際にダウンロードして使ってみましたが、速くて性能も良いということで驚きました。
このDeepSeekの開発した高性能のAIが劣ったハードでもできるようになったところはすごいのですが、では米国のAI企業の製品を追い抜いたかという、それは追い抜いてはいないと思います。ただ、NVIDIAの高額なハードを使わなくても相当のものが作れるということでNVIDIA株が下落しました。
さまざまな意見はありますが、今後、NVIDIAの最新チップに対する需要がもしかしたらどこかの時点で少し落ちるかもしれません。今回のことがAIバブルの崩壊かというと、私はそう思ったのですが、本当のところは時間がたってみてみないと分からないとの見方もあります。
SOX指数は全然戻っていませんし、今後を見据えると半導体に対する需要は落ちると思います。
2025年は円高局面がどこで来るかがポイント
トランプ政権が発足してから、あまりにも相場を動かすニュースがたくさん出てくるので、第1期トランプ政権の時と同じようにマーケットが疲弊してきています。
為替相場では、米ドル/円の売りのニュースが出てきたり、買いのニュースが出てきたりするのですが、すぐ反対方向のニュースが出るので、ずっと同じポジションを持っていられません。
米ドルが強くなれば160円を超えてくる瞬間もあるんじゃないかなと言っていたのですが、現状だとそれは難しそうです。
(※筆者提供)
トランプ政策は米ドル高政策なので、今年の夏に向けて米ドルが強くなるというシナリオを持っていました。ただ、今年(2025年)のポイントになるのはどこで円高局面がくるかということです。
それは、米国株の不調から来るのか、AIバブルの崩壊から来るのか、米国金利が下がってくることから来るのかは分かりませんが、おそらく、そういう要因が重なってやってくるのかもしれません。
あとは、最終的にパウエルFRB議長がトランプ大統領とぶつかって、でも結局、政策金利を下げざるを得ない方向に持っていかされることになりそうです。
トランプ大統領はプラザ合意2.0をやりたがっている
あとは、最近プラザ合意2.0という言葉を使われることも多くなってきていますが、おそらくどこかのタイミングであると思います。
米国は利下げをする、日本は利上げするということで、それを日米協調でやるという強い姿を見せればどうなるかといえば、米ドル/円は下落すると思います。
その可能性というのは無きにしもあらずで、むしろその可能性は高いと私自身は思っています。
トランプ大統領は、いずれこのプラザ合意2.0をやりたいと思っていそうなので、米国のインフレが落ち着いてさまざまな政策が一巡すれば、いずれどこかでありそうです。
先ほどのチャートでは、2月~3月にかけて米ドル/円が下がることを想定していますが、これは石破総理とトランプ大統領が会う時に円安が行き過ぎているのではないかという一言があれば、マーケットも反応すると想定しているからです。
(※筆者提供)
ファンダメンタルズからいえば円安継続なので、夏に向けてまた米ドルの上昇を想定しながらも、どこかで政策協調が見えてきて、米ドルが下落して円高がやってくるのが今年(2025年)のシナリオだと考えています。
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