■ゲームストップ株急騰で、NYダウは軟調
先週(1月25日~)は、米国のゲームソフト小売り大手、ゲームストップ(GME)の株が急騰しました。
為替とは直接、関係のない内容ですが、金融市場全体で話題となっています。
(出所:TradingView)
ゲームストップ株は、ヘッジファンドが空売りをしていましたが、個人投資家集団のコールオプションの買いによって株価が急騰し、個人投資家が勝利した、というものです。
これを受けて、NYダウなどが軟調に推移しましたが、これはマネーゲームとなっていることから、規制が入る可能性もあり、その点は注目されるところです。
【参考記事】
●米ドル/円は、今週も押し目買いでよさそう。103.20円水準から下がなさそうなワケは?(2月1日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ロビンフッダー対ヘッジファンドが話題に。ユーロ/米ドルの下値余地が拡大中!!(1月28日、西原宏一)
●ロビンフッダーがヘッジファンドを締め上げた!? バブル修正の時、為替も動き出す(1月27日、志摩力男)
(出所:TradingView)
■米追加経済対策の協議にも注目
今週のそれ以外の注目としては、米国で追加経済対策の協議が始まります。
バイデン大統領は、1.9兆ドル規模の財政出動を目指しており、これが決まるようであれば、米国株は上昇しやすくなります。
しかし、共和党の上院議員10人が、1.9兆ドルでは多いとして6000億ドル規模の代替案を提示しています。
今週は米国で追加経済対策の協議が始まる。バイデン大統領は1.9兆ドル規模の政策を提案しているが、共和党上院議員の中には6000億ドル規模の代替案を提示するメンバーもおり、協議の行方は注目されそう (C)Scott Olson/Getty Images News
市場参加者の間では、1兆ドルの予想が多く、もし1.9兆ドルではなく、1兆ドルであれば、ややリスク回避の動きになると思いますが、その動きも一時的だと考えています。
経済対策の規模が小さくなるほど、NYダウなどの調整する値幅は大きくなると思いますが、調整後は再度、リスク選好の動きが戻ってくると考えています。
■NYダウ、調整あっても10%程度の下落か
NYダウは、昨年(2020年)3月から上昇を続けていますが、その間、一時的な調整を何度も挟んでいます。
6月や9月、10月に調整しており、その調整の値幅は、だいたい10%程度で止まっています。
(出所:TradingView)
そして、その後に再度、上昇トレンドに戻ってきています。
今回も、調整したとしても、せいぜい10%程度ではないかと考えています。
もし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がテーパリング(※)の議論を始めるようなことを示唆すれば、考えを改める必要がありますが、テーパリングの議論開始は、早くても今年(2021年)後半だと思いますので、まだ、株式市場が大天井をつけたと考えるのは早いかと思います。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
■豪ドル/米ドル、0.74ドル付近をメドに押し目買いか
為替市場については、NYダウと豪ドル/米ドルが、非常に相関性の高い動きをしているため、豪ドル/米ドルに注目かと考えています。
(出所:TradingView)
NYダウが10%程度の調整をするのであれば、豪ドル/米ドルは、0.7400ドルを割る程度までの、下げの可能性が出てくることになります。
(出所:TradingView)
オーストラリアは、コロナ感染を抑え込めており、経済指標も他の国より良いため、ファンダメンタルズからも豪ドルは買われやすい状況です。
株式市場は、調整後は上がると思いますので、豪ドル/米ドルも調整したとしても、上がる可能性が高いのではないかと考えています。
0.74ドル付近をメドに、押し目買いを考えてみてもいいのではないかと思います。
【参考記事】
●オセアニア通貨の押し目買いが良さそう。イエレン財務長官で2021年の市場は安定か(2020年12月1日、バカラ村)
●2021年、ポストコロナの注目通貨は豪ドル! コロナ変異種の感染拡大は懸念されるが…(2020年12月24日、西原宏一)
■米ドル/円は、今週も押し目買いを継続!
米ドル/円は週足チャートを見ると、半年間ほど、21週移動平均線で上値を抑えられていましたが、これを超えてきました。
(出所:TradingView)
また、日足チャート上での一目均衡表も、三役好転の状態となってきました。
(出所:TradingView)
昨年(2020年)後半は、米ドル安相場だったということもあって、米ドル/円もゆっくり下がってきましたが、その動きは変化したように見えます。
【参考コンテンツ】
●FX初心者のための基礎知識入門:移動平均線
●FX初心者のための基礎知識入門:一目均衡表
米長期金利も、1.00%のレジスタンスを突破してからは、そこがサポートとなって推移しています。
(出所:TradingView)
その面からも、米ドル/円は底堅いということになります。
【参考コンテンツ】
●FX初心者のための基礎知識入門:トレンド分析1(サポート/レジスタンス)
米ドル/円は、米ドル高になる可能性もあると思いますので、豪ドル/米ドル同様に、今週(2月1日~)も引き続き、押し目買いでいいのではないかと考えています。
【参考記事】
●米ドル/円の押し目買い継続! ドル安要因多いのに、米ドル安が進みにくい理由は?(1月26日、バカラ村)
●米ドル押し目買い方針。ドル安を目指さないイエレン新財務長官の手腕にも注目!(1月19日、バカラ村)
●米ドル/円は目先、105円を狙う動きに期待! 「株高・米ドル安」は止まり、資金は米国へ(1月12日、バカラ村)
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