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前回に続き、ローソク足の特徴的な足型と、一般的な解釈をご紹介します。陰線のパターンの多くは、基本的に陽線の逆の解釈となるものが多いのですが、一部には捉え方が異なるものもあります。しっかりとマスターしましょう。
大陰線
始値よりも終値が安い陰線の中で、長い実体を伴った足型が「大陰線(だいいんせん)」です。下落の勢いが非常に強かったことを表していて、相場が今後、下落していく可能性が高いことを暗示している足型と言われています。

上の図のとおり、大陰線はヒゲの形によって、さらに3つのパターンに分類されます。
「陰の丸坊主(いんのまるぼうず)」は、始値が期間中の高値となって下落し、安値がそのまま終値となった足型です。上ヒゲも下ヒゲもなく、下落の勢いが非常に強かったことがわかります。特に、相場が高値圏と思われる付近で出現した場合は、上昇から下落へ転換していくことを暗示していると解釈されることが多い足型です。
「陰の大引坊主(いんのおおびけぼうず)」は、寄付からいったんは強含んだ相場が押し戻され、その後は大きく下落して、安値がそのまま終値となった足型です。高値から大きく反落しているため、上値に抵抗があったことも感じさせます。陰の丸坊主と同様に、下落の勢いが強かったことがわかります。相場がさらに下落する可能性を暗示していると解釈されることが多い足型です。
「陰の寄付坊主(いんのよりつきぼうず)」は、基本的には弱い相場を示唆していますが、安値からは切り返して終わっていることから、下値に抵抗があったことも感じさせる足型です。そのため、相場が安値圏と思われる付近で出現した場合は、さらに下落すると考えるにはやや慎重を要する足型とも言われていて、相場がその後、上昇に転換していくことを暗示している可能性があると解釈されることもあります。

小陰線
実体の短い陰線が「小陰線(しょういんせん)」です。実体が特に短い足型は「極線(コマ足)」と言います。

捉え方は小陽線といっしょです。基本的には、相場の勢いが小休止して、一時的な均衡状態にあることを示唆している足型と言われています。
小陰線は、一般的に相場がほとんど動かないか小動きにとどまっている状態から少し下落する、「弱保合い」の中で出現することが多いと言われています。弱保合いの途中で小陰線が2~3本ほど連続して出現した場合は、下落の勢いが鈍ってきていると判断されることがあります。相場が反発に転じる可能性を警戒すべきサインです。
極線は、一段と相場が均衡状態にあったことを表しています。陽線、陰線の種類を問わず、極線が何本か連続で出現すると、その後、相場が大きく動き出す可能性があるため、注意が必要な足型と言われています。

下ヒゲ陰線・カラカサ(タクリ線)
下ヒゲ(影)の長い陰線が「下ヒゲ(影)陰線」です。特に実体が短く下ヒゲが長い足型は、「カラカサ」や「タクリ線」と呼ばれます。

下ヒゲが長いということは、相場がいったんは大きく下落したものの、その後は買い方のパワーが売り方のパワーを上回って、安値から大きく反発したということです。下値に相応の抵抗があったと考えられるので、陰線ではありますが、基本的には下落の勢いが衰えてきていることを示唆していると捉えます。
下ヒゲ(影)陰線は、相場が安値圏と思われる付近で出現した場合は、そろそろ下落が一服するか、上昇への転換を暗示している可能性があると解釈されることが多い足型です。
カラカサ(タクリ線)は、特に相場が安値圏と思われる付近で出現した場合に、今後、相場が上昇に転じていく可能性が高いと解釈されることが多い足型です。
ただし、相場が高値圏と思われる付近で出現したカラカサは、相場が下落に転じる可能性を暗示していると言われます。特に、高値圏と思われる付近で上方に窓を開けて出現したカラカサは「首吊り線」と呼ばれ、下落への転換を強く暗示しているサインとみなします。

上ヒゲ陰線・トンカチ
上ヒゲ(影)の長い陰線が「上ヒゲ(影)陰線」です。特に実体が短く下ヒゲが長い足型は、「トンカチ」と呼ばれます。

上ヒゲが長いということは、相場がいったんは大きく上昇したものの、その後は売り方のパワーが買い方のパワーを上回って、高値から大きく反落したということです。上値に相応の抵抗があったと考えられるので、基本的には上昇の勢いが衰えてきていることを示唆していると捉えます。
上ヒゲ(影)陰線は、相場が高値圏と思われる付近で出現した場合は、そろそろ上昇が一服するか、下落への転換を暗示している可能性があると解釈されることが多い足型です。相場が安値圏と思われる付近で出現した場合は、上昇に転換していく可能性があると捉えられることもあります。
トンカチも、相場が高値圏と思われる付近で出現した場合は、上昇の一服か、下落への転換を暗示している可能性があると捉えます。
ただし、相場が安値圏と思われる付近で出現したトンカチは、相場の下落一服、もしくは上昇に転換することを示唆する可能性があると言われます。

以上が、特徴的な陰線の足型と、一般的な解釈です。ローソク足にはほかにも、出現するタイミングによっては、相場の変化や転換を示唆している可能性があると考えられている足型があります。代表的なのが、次の寄引同時線です。
寄引同時線
始値と終値が同じ価格の足型が「寄引同時線(よりひきどうじせん)」です。厳密には始値=終値ですが、始値と終値がほぼ同じ価格で、ローソク足の実体がほとんどない足型なら、寄引同時線とみなしても差し支えありません。

寄引同時線は、ヒゲの長さで「十字線」か「寄せ線」に分類します。基本的にはどちらも相場に動きはあったものの、最終的には始値と同じ価格で終わっているため、買い方と売り方のパワーが拮抗していたと捉えます。ただし、あとになってチャートを振り返ると、寄引同時線の出現したタイミングが、相場の転換点になっていたということがあります。
十字線は、上下のヒゲがそれほど長くない足型です。相場の勢いが小休止して、一時的な均衡状態にあることを示唆していると考えられますが、相場が高値圏と思われる付近で出現したときは下落へ、安値圏と思われる付近で出現したときは上昇へ転換することを暗示している可能性が高い足型と言われています。
また、相場が小動きのときに十字線が出現すると、その後、均衡状態を脱して、どちらか一方に流れを加速させることもあるため、注意しておきたい足型として知られています。
寄せ線は、上下に同じぐらいの長いヒゲを伴った足型です。相場が高値圏や安値圏と思われる付近で出現したときは、相場の転換を暗示している可能性が高いと捉えられることがあります。「足長十字線」とも呼ばれます。
大きく買われては押し戻され、大きく売られては持ち直したという点で、寄せ線が出現すると、その後、相場が乱高下(上下に荒っぽく動くこと)する可能性を警戒する必要があるとも考えられています。
特殊な寄引同時線
寄引同時線はさらに、上下のヒゲの長さの違いによって、以下のように分類されます。

トンボは、始値・高値・終値が同じ価格で下ヒゲだけが長い、アルファベットの「T」のような足型です。相場がいったんは大きく下落したものの、その後は買い方のパワーが売り方のパワーを上回って、安値から大きく反発したことがわかります。
相場が安値圏と思われる付近で出現したときは上昇へ、高値圏と思われる付近で出現したときは下落へ転換する可能性を暗示していると捉えるのが一般的ですが、実際には上昇相場や下落相場の途中に出現することも多いため、必ずしも方向性をはっきりと示しているわけではないとも言われています。
トンボは、昆虫の蜻蛉(とんぼ)のような形に見えることや、トンボの出現が相場の転換点になりやすいといった特徴が、蜻蛉が上下にすばやく方向転換して飛行するさまと似ていることから名付けられています。その特徴をより表しているのが、トンボの一種である上十字と下十字です。
上十字は、上ヒゲが長いだけでなく、短い下ヒゲもある寄引同時線です。相場が高値圏や安値圏と思われる付近で出現すると、相場の変化を示唆していると捉えられます。特に、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、上昇の勢いが衰えて、下落へ転換する可能性を暗示していると解釈されます。
下十字は、下ヒゲが長いだけでなく、短い上ヒゲもある寄引同時線です。こちらも、相場が高値圏や安値圏と思われる付近で出現すると、相場の変化を示唆していると捉えられます。特に、相場が安値圏と思われる付近で出現すると、下落の勢いが衰えて、上昇へ転換する可能性を暗示していると解釈されます。

トウバは、始値・安値・終値が同じ価格で上ヒゲだけが長い、トンボと真逆のような足型です。形が塔婆(とうば)に似ていることから、この名前がついています。相場がいったんは大きく上昇したものの、その後は売り方のパワーが買い方のパワーを上回って、高値から大きく反落したことがわかります。
相場が高値圏や安値圏と思われる付近で出現すると、相場の変化を示唆していると捉えられます。特に、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、上昇終了を告げるサインと捉え、相場が下落へ転換する可能性があると判断します。
4値同時は、4本値すべてが同じ価格で、真横に線を1本引いただけに見える足型です。相場がまったく動かず、買い方と売り方のパワーがきわめて拮抗していたか、相場を動かす材料が見当たらずに、様子見を強めていたことがわかります。
相場の転換期を暗示している可能性がある足型と言われています。4値同時が出現したあとに、相場がいったん動き始めると、新しい相場の流れが加速していくこともあります。
株や商品先物などの値幅制限がある銘柄で、取引開始直後からストップ高やストップ安に張り付いたまま終わったときも、4値同時の足型が出現します。
大切なのは相場のトレンド
チャートで過去の値動きを確認してみると、ご紹介したような特徴的な足型が出現したタイミングで、相場が天井や底をつけていたケースを見つけることができると思います。でも、それと同じぐらいに、相場の転換点になっていなかったケースも見つかるはずです。
特徴のある足型が必ずしも相場の転換を意味しているわけではないということは、しっかり認識しておく必要があります。
大切なのは、今の相場の「トレンド」がどうなっているのかを把握することです。トレンドを見極めたうえで、相場が高値圏や安値圏と思われる付近で特徴的な形のローソク足が現れたら、「相場の転換を暗示しているかもしれないぞ…」と感じ取って、そうなったときに対応できるよう、準備をしておくためのサインといった感じで捉えたいですね。
(最終更新日:2021年4月6日)
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