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第3章 FXをはじめよう

FXの注文の種類と注文の方法【前編】
成行注文・指値注文・逆指値注文

2019年01月08日(火)14:40公開 (2021年04月08日(木)15:06更新)
ザイFX!編集部

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このページの概要
FXにはいろいろな注文方法がありますが、基本となるのは「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つです。しくみや特徴を理解しておけば効率よく取引でき、相場が予想と反対の方向に動きたときも、最低限の投資資金を守ることもできます。

FXの基本的な注文方法

 FX会社の口座開設が完了して資金(証拠金)を入金したら、チャートで相場の状況をチェックして、新規の買いか売りで取引をスタートさせることになります。

 FXには買ってから売り決済するか、売ってから買い決済する方法しかありませんが、どんな注文を出してどんな取引をするかは、1つではありません。

 ここだと思ったときに、そのときの為替レートですぐに買ったり売ったりするやり方もあれば、買いたい値段や売りたい値段をあらかじめ指定しておくなど、注文方法にはいくつかの種類があります。

 FXにはさまざまな注文方法があり、提供している数や種類はFX会社によって異なりますが、以下の6つは、ほぼすべてのFX会社で出すことができる非常にオーソドックスな注文方法です(呼び方には各社で違いがあります)。

1.成行注文(なりゆきちゅうもん)
2.指値注文(さしねちゅうもん)
3.逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)
4.OCO注文(おーしーおーちゅうもん)
5.IFD注文(あいえふでぃーちゅうもん)
6.IFO注文(あいえふおーちゅうもん)

 この6つの注文方法のしくみや特徴を理解しておけば、常に相場を見続ける必要がなくなり、相場が思った方向と反対に動いてしまったときも、最低限の投資資金を守ることができます。

 ここでは、成行注文・指値注文・逆指値注文を紹介し、残りのOCO注文・IFD注文・IFO注文は、次の回で詳しく解説します。

成行注文(なりゆきちゅうもん)

成行注文(なりゆきちゅうもん)は、為替レートを指定せず、そのときのレートで売買する注文方法です。今すぐに買いたい、または売りたいときに使います。「マーケット注文」などとも呼ばれます。

成行注文のイメージ

 相場の流れにすぐに乗りたいとか、持っているポジションをすぐに決済したいと思ったときに発注(=注文を出すこと)すれば、即座に約定(=取引が成立すること)します。

 成行注文は、注文がFX会社のサーバーに届いた時点で処理が行われ、処理が行われるときの実勢レート(実際に取引できるレート)で約定するのが基本です。発注したときに注文画面に表示されていたレートは、あくまでその時点の実勢レートですから、成行注文がいくらで約定するのかは、実際にはわかりません。為替レートが大きく動いているときは、発注したときの実勢レートと約定したレートに大きな差が生じることもあります。

 発注したときの実勢レートと約定したレートに差が出る現象、またはその差自体のことを「スリッページ」と言います。FX会社によっては、あらかじめ許容できるスリッページの幅を設定しておくことで、設定幅以上のスリッページが発生する場合は、注文自体を成立させない注文方法もあります。

 許容できるスリッページ幅が設定できる注文方法と、スリッページがどれだけ発生しても約定する単純な成行注文を、分けて提供しているFX会社もあります。

【スリッページに関する参考記事】
あなたは経験したことがありますか? 怪しいスリッページやレートずらしを…

指値注文(さしねちゅうもん)

指値注文(さしねちゅうもん)は、今よりも安いこのレート以下で買いたい、もしくは今よりも高いこのレート以上で売りたいと思ったときに、約定させたいレートを指定して出す注文方法です。約定させる値段を限定(limit)することから、「リミット注文」とも呼ばれます。

 FXの場合は、買いの指値注文なら現在よりも安いレート、売りの指値注文なら現在よりも高いレートを指定します。

指値注文のイメージ

 相場というのは、一方的に上昇や下落を続けることは、ほとんどありません。上昇相場や下落相場は、トレンド(相場の流れ)が崩れない程度の調整、いわゆる反落や反発を交えながら形成されます。

 上昇相場中の今の為替レートが106円だったとします。このまま上昇せず、いったん調整してから再び上昇しそうだと思ったら、今すぐ106円で買うより、少しでも安いレートで買えた方が得になります。そこで、105円ぐらいまで調整しそうだから、新規の買い指値注文を105円に出すといった使い方ができます。

 また、下落相場中の為替レートが106円まで下がってきたときに、105円ぐらいまで下落したら、そこからは上昇相場へ転換しそうだと考えて、105円に新規の買い指値注文を出すという使い方もあります。

 どちらの場合も、為替レートが105円以下になれば、買い指値注文が約定します。売りの指値注文は、まったく逆の考え方です。

決済のときの活用方法

指値注文を決済で活用する方法

 ポジションを決済するときも、指値注文は効果を発揮します。106円で買ったポジションを、107円で決済して利益を確定させたいときは、107円に決済の売り指値注文を出せば良いのです。一定の含み益(未確定の利益)が出たら利益を確定するルールを決めておいて、そのルールにもとづいて指値注文のレートを指定して出すやり方もできます。

指値注文は原則的に指定したレートで約定します。指定したレートよりも不利なレートで約定することはありません。指定したレートへ到達したときに、その時点の実勢レートの方が指値注文で指定したレートよりも有利なら、実勢レートで約定させてくれるFX会社もあります。

 指値注文は、指定したレートに達するとFX会社が自動的に取引を成立させてくれるので、相場を見ていなくても希望のレートでトレードできます。しかし、指定したレートまで届かず、注文が成立しない場合もあります。

逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)

逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)は、今よりも高いこのレート以上で買いたい、もしくは今よりも安いこのレート以下で売りたいときに、レートを指定して出す注文方法です。「ストップ注文」とも呼ばれます。

逆指値注文のイメージ

 逆指値注文はその名のとおり、指値注文の逆です。FXの場合、指値注文は、今より安いレートを指定して買うか、今より高いレートを指定して売る注文方法ですが、逆指値注文は今より高いレートを指定して買うか、今より安いレートを指定して売る注文方法です。

 今より高いレートで買うか、今より安い値段で売るための注文――。一見すると矛盾しているように感じますが、うまく使いこなせれば非常に効果的です。

 ボクシングの世界に「左を制するものは世界を制す」という言葉がありますが、FXでは「逆指値注文を制するものはFXを制す」と言ってもいいぐらい、絶対に覚えてほしい注文方法です。

損失を限定させる方法

逆指値注文の一番のメリットは、損失を限定できることです。

 為替レートが上昇すると思って、105円で買いポジションを建てたとします。その後、思ったとおりに上昇してくれればよいのですが、下落してしまったら、含み損(未確定の損失)が生じます。

逆指値注文で損失を限定する方法

 もしも相場を見ていない間に104円以下に下落してしまったら、それ以上の含み損は抱えたくないので、いったんポジションを決済して損失を確定させたい…。そんなとき、104円で決済の売り逆指値注文を出しておくのです。104円に達したら、自動的にポジションが決済されます。

 逆指値注文を許容できる損失幅か損失額の範囲内に出しておけば、相場が思った方向と反対に動いても、指定したレートに到達した時点でポジションが決済されるので、さらなる損失の拡大を回避できるのです。逆指値注文が別名「ストップロス注文」と言われるのは、損失(ロス)を止める(ストップ)注文だからです。

 FXはレバレッジをかけて取引できる分、リスク管理が非常に大切。どんなに凄腕のトレーダーでも、「100戦100勝」のトレードをすることは絶対に不可能です。損失が確定するのは確かにイヤですが、損失を許容範囲内にとどめて「勇気ある撤退」をすることができれば、そのあとのトレードでいくらでも挽回することができます。

 相場はいつ、急に動き出すかわかりません。ポジションを建てたらすぐに逆指値注文を出すことを、トレードの絶対条件にしてください。

利益を確定させる方法

逆指値注文を利益確保に活用する方法

 逆指値注文は利益確定にも使えます。

 105円で買いのポジションを建てたあと、思ったとおりに上昇して、106円になったとします。1円分の含み益が発生している状態です。まだ上昇すると思ってはいるけれど、万が一、何か大きなニュースで下落しても、結果的に損切りにはならないようにしたい…。

 そんなときは建値の105円よりも高いレート、たとえば105.50円に逆指値注文を出しておけば、もし下落してきて注文が約定しても、約50銭の利益は確保できます。

 相場が思った方向へ動いて含み益が増えているときは、逆指値注文の指定レートを少しずつ調整して、利益の最大化を図ることもできます。

相場の波に乗る方法

逆指値注文をレンジブレイクで活用する方法

 逆指値注文は損失の拡大を止めたり、一定の利益を確保するといった決済のときだけでなく、新規の注文でも有効に活用できます。

 相場は、これまでに何度も跳ね返されてきたレジスタンス(=抵抗)だったり、直近高値などの節目や転換となりそうなポイントをはっきり上抜ると、新しい流れ(トレンド)が生まれることがあります。サポート(=支持)や、直近安値などをはっきり下抜けたときも同様です。

 ある一定のレンジ(値幅)で動いていた相場がレンジの上限や下限をブレイク(突破)すると、ブレイクした方向へ動きが強まることもよくあります。

 こうした新しい相場の動きにいち早く乗るために、流れが変わりそうなポイントに逆指値注文を出しておくと、相場を見ていないときも流れを逃すことなく、効率的にトレードできます。

逆指値注文の注意点

 逆指値注文は「損失を限定する」、「利益を確保する」、「相場の流れに乗る」ことができる、トレードに欠かせない注文方法です。必ずマスターして、上手に活用できるようになってください。

 注意しておきたいのが、逆指値注文は指定したレートに達すると、それがトリガー、いわゆる「引き金」になって、そのときの実勢レートで成行注文として執行されるという点です。

 そのため、指定したレートと同じレートで約定するとは限りません。相場の状況によっては、指定したレートよりもかなり不利なレートで約定することもあります。週明けに損失の拡大する方向へ窓を開けてスタートしたとき、指定したレートからかけ離れたレートで注文が成立してしまう可能性もあります。

 損失を限定するための逆指値注文を出しても、想定を上回る損失が発生する可能性があることは頭に入れておきましょう。

(最終更新日:2021年4月8日)

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