デモで勝てても本番で勝てない!?
デモトレードを続けているけれど、なかなかうまく勝つことができずに仮想資金が減っていくばかり…。そういう方は取引のやり方を変えてみたり、今とは違った視点を持って臨んでみるなど試行錯誤を繰り返して、デモトレードで安定的に収益を増やすことができるようになるまで、もう少し頑張ってみる必要があるかもしれません。
一方で、デモトレードでFXのイロハも理解したし、トレードも上達して仮想資金を増やすことができた方は、「リアルトレード(本番取引)」へ自信を持って踏み出す段階です。デモトレードのときと同じように取引すれば、当然、本番でも結果を出すことができるはず…。できるはずです…。
ところが、デモトレードなら勝てたのにリアルトレードでは勝てなくなってしまって、何でこんなことになっているのかわからずに悩んでいる方が結構いるのです。デモトレードとまったく同じように取引しているつもりなのに、なぜリアルトレードで勝てないのか?
もちろん、デモトレードで経験を積んで、リアルトレードでしっかりと結果を残している投資家もたくさんいます。勝てる人と勝てない人では、なにが違うのでしょうか?
デモトレードと本番の違い
デモトレードとリアルトレードのもっとも大きな違い、それは「メンタル(精神面)」の部分だと思います。
デモトレードは、あくまで仮想資金を使った取引です。いくら失敗しても自分の資産が減ることはありません。でも、リアルトレードでは、証拠金として口座に預けているあなた自身の資産が、為替レートの変動で刻一刻と増えたり減ったりします。
そうすると、デモトレードでは感じなかった精神的な負担が生じてきます。この差が取引に与える影響は、想像以上に大きいのです。デモトレードと同じように取引しているつもりで、実はそうなっていないことが、たくさんあったりするのです。
為替レートが思った方向に動いたとき、デモトレードなら利益を確定していた場面でも、リアルトレードでは「もっと利益を伸ばせるかも…」と欲が出てしまって、最終的に損切りになってしまうなんてこともありえます。
反対に、為替レートが思った方向と反対に動いたとき、デモトレードならすぐに損失を確定させていたのに、リアルトレードでは「もしかしたら戻るかも…」と思ってしまって、損失が膨らんでしまうケースも考えられます。
つまり、ルールを確立させてリアルトレードに臨んだつもりでも、デモトレードのときにはなかった感情が入ってしまって、無意識にルールを無視してしまうことが増えたりするのです。
リアルトレードでなかなか結果が出ないという方は、デモトレードを成功に導いたルールや取引手法を、リアルトレードでも徹底することを心がけてみてください。
そして、これからリアルトレードに参戦しようと思っている方は、感情に流されないよう、ルールをしっかり守ることを自分に言い聞かせてデビューすることを忘れないようにしてくださいね。
本番で負けないためには
そうはいっても、人間だれしも感情は入るものです。しかし、そこを乗り越えることこそが、リアルトレードで結果を残して、資産を安定的に増やす足がかりになると思います。
中には「デモトレードなんて意味がない。少額でもいいからすぐにリアルトレードをはじめて、FXの荒波にもまれながらスキルを鍛え上げるべきだ!」という、我が子を千尋の谷に突き落とすような声も聞きます。
それが間違いだとは言いませんが、デモトレードに意味がないのかといえば、絶対にそんなことはありません。リアルトレードで負けないためにも、デモトレードでの経験が必要なのです。デモトレードで自分なりの負けない取引手法を確立させることができれば、強力な武器を手にリアルトレードへ参戦できます。
自動車の運転免許証を取得するためには、自動車教習所へ通うのが一般的です。運転免許証を取得して公道デビューを果たしても、教習所で教わったことがすべてでないことは、自動車の運転免許証を持っている方なら、身をもって体験したことがあると思います。
FXもいっしょです。また、デモトレードをやっていたときと、リアルトレードをやっているときで、マーケットの状況が変わっている可能性もあります。今まで有効に機能していたルールや取引のやり方が、効果的ではなくなってしまうときもあると思います。
もちろん、そんなときは今一度、デモトレードでじっくり検証してみるもの1つの手だと思います。そして、いくらデモトレードで勝てるようになっても、同じように取引すれば大丈夫だろうなんていう軽めの気持ちと無防備な状態で、リアルトレードデビューを果たすことは避けるようにしたいですね。
(最終更新日:2021年3月1日)
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