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前回までは、二本足の特徴的な組み合わせと、その一般的な解釈をご紹介しました。
ここからは、前後3本のローソク足の組み合わせとなる「三本足」と、一定の期間をかけて形成される「複数足」をご紹介します。
酒田五法とは
三本足や複数足を理解するにあたって、避けて通れないのが「酒田五法」です。
酒田五法は、ローソク足の組み合わせや並びをもとに編み出された、日本古来のチャート分析方法です。ローソク足の生みの親とされ、相場の神様と言われた江戸時代の相場師、本間宗久の相場理論から考案されたものです(※)。
(※本間宗久氏が考案したものと解説している事例が多いのですが、実際には明治初期に原型がまとめられたという説が有力です)
本間宗久の相場理論から生み出されたのに、本間五法ではなく酒田五法と呼ばれているのは、本間宗久が出羽国(でわのくに)、現在の山形県酒田市周辺の出身だからです。本間宗久には「出羽の小天狗」という異名がありました。本当かどうかはわかりませんが、現在の価値で1兆円近くの資産を相場で稼いだという噂もあります。スゴい人だったことには、間違いないですね。
酒田五法はその名が示すとおり、「三兵」・「三川」・「三空」・「三山」・「三法」の5つの法(考え方)で構成されています。そのうちの「三兵」と「三川」が三本足、「三空」と「三山」が複数足のパターン認識です。「三法」は相場の心構えを説いているものですが、その延長線上として、「上げ三法」や「下げ三法」と呼ばれる、三本足の組み合わせが存在します。
つまり、三本足や複数足のパターン分析は、酒田五法が原型になっていると言えるのです。
酒田五法は古典的な考え方ですが、チャート分析の基本的な手法として、現在もプロアマ問わず、多くの投資家に活用されています。本間宗久の相場の考え方が示された文献は、原本の存在すらも疑われており、その解釈の仕方はさまざまですが、ここでは酒田五法の代表的な考え方をご紹介します。
三兵
陽線が下値を切り上げる格好で3本連続、もしくは陰線が上値を切り下げる格好で3本連続で出現する並びが「三兵(さんぺい)」です。3連続陽線は「赤三兵」、3連続陰線は「黒三兵(三羽烏)」と呼びます。

基本は上の図のように窓が開かず、陽線なら前日の終値より安くはじまり、陰線なら前日の終値より高くはじまる並びの続いたものが当てはまります。酒田五法の中で、三兵は別名「赤三兵」と呼ばれていたので、本来は3本連続の陽線のみが三兵にあたる可能性がありますが、現代では赤三兵と黒三兵の両方が、三兵として知られています。
相場では、買い方と売り方のどちらかの勢力が2日続けて優勢になることは、それほど珍しくありません。しかし、買い方と売り方の双方の思惑が交錯する中で、実体が同じ色のローソク足が2日連続で出現するということは、その方向に相場が動く強い動機があったと判断されます。そこから、三兵は相場の流れが傾いていて、強いトレンドがあると捉えます。
したがって、赤三兵は相場が強いことを、黒三兵は相場が弱いことを示唆していると解釈するのが基本です。

厳密には、相場が安値圏と思われる付近でしばらく保ち合ったあと、実体を伴った陽線が3本連続で出現したものを「赤三兵」、相場が高値圏と思われる付近でしばらく保ち合ったあと、実体を伴った陰線が3本連続で出現したものを「黒三兵」と呼ぶとの定義もあります。
そこから、安値圏で出現した赤三兵は強力な買いサイン、高値圏で出現した黒三兵は強力な売りサインと捉えます。また、もみ合い相場が続いたあとに出現すると、新たなトレンドが生まれた証拠と判断することができるとも言われています。
三兵の変則型
三兵には以下のように、いくつかの変則型があります。

赤三兵先詰まりは、3本目の陽線が長い上ヒゲを伴ったパターンです。上昇する可能性を示唆してはいますが、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、上昇力が弱まってきていると捉えられます。
赤三兵思案星は、3本目の陽線が窓を開けて出現して、極線を形成したパターンです。最初は勢いがあったものの、その後は買い方と売り方のパワーが拮抗して、上昇力が弱まっています。厳密には三兵の形を逸脱していますが、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、下落へ転換する可能性を暗示していると解釈されることが多いパターンです。
坊主三羽は、3本の陰線すべてに下ヒゲがないパターンです。常に売り方の勢力が勝った状態で終わっているので、相場が非常に弱いことを示唆していると解釈されます。
同時三羽は、終値と始値が同じパターンの並びです。ローソク足の実体が日々、着実に切り下がっていることから、相場がきわめて弱いことを示しているパターンです。
(最終更新日:2021年4月6日)
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