■ローソク足はこうして作る!

日本で誕生し、今や世界中でチャート分析に利用されている「ローソク足」。まさに、蝋燭(ろうそく)に似た形をしていることから、この名前がつけられています。海外では、「キャンドルスティック(Candle stick)」の名称で親しまれています。
諸説ありますが、ローソク足は江戸時代に米の取引で「相場の神様」と言われて活躍した稀代の相場師、本間宗久(ほんまそうきゅう)が開発したという説が、一般的に広く知られています。でも実際には、本間宗久や本間宗久に影響を与えたとされる相場師・牛田権三郎の相場理論が、のちになって広く研究されるようになり、その理論を視覚的に表す手段として編み出されたものの1つが、ローソク足だという説が有力なようです。
ローソク足は、前回ご紹介した4本値(始値・高値・安値・終値)を使って、下の図のように作成します。
【参考記事】
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始値と終値の間隔、値幅を表す長方形の部分は「実体(じったい)」と呼びます。始値よりも終値が高かった足が「陽線(ようせん)」、始値よりも終値が安かった足が「陰線(いんせん)」です。陽線と陰線は、実体部分が色分けして区別されるため、相場が上昇して終わったのか、下落して終わったのかが、パッと見ただけでわかるようになっています。
高値と安値を表しているのが、実体から上下に突き出た「ヒゲ」や「影(かげ)」と呼ばれる線です。上方向に高値まで伸びた線は「上ヒゲ」や「上影」、下方向に安値まで伸びた線は「下ヒゲ」や「下影」と呼びます。
古くはローソク足の実体は陽線なら赤、陰線なら黒で塗りつぶされるのが一般的でした。海外では陽線は緑、陰線は赤で表現されることが多く、現在は、さまざまな色分けで陽線と陰線を区別しています。ザイFX!のチャートは、陽線を赤枠で囲った白抜き、陰線を青色で表しています。
【参考コンテンツ】
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■ローソク足を見れば価格の推移もわかる!?
ローソク足の最大の特徴は、対象とする期間(日足なら1日)に相場が上昇したのか下落したのかがひと目でわかり、相場の強さや弱さの度合いも把握できることです。
たとえば、実体が非常に長いローソク足なら、相場の足取り(動き)が一方向へきわめて強かったことがわかります。反対に、実体が非常に短いローソク足なら、買い方と売り方のパワーが拮抗していたと判断できます。また、上下のヒゲの長さからは、安値から切り返したエネルギーや高値から押し戻されたエネルギーの強さも推し量ることができます。
さらに、1本の足を見るだけで、対象となる期間に相場がどのような推移をたどったのかも、ある程度は推測することができます。

実際には、どのような価格の推移をたどってローソク足が形成されたのかは、厳密にはわかりません。日足なら、その日の動きを24分割した60分足(1時間足)をチェックするなど、対象とする足よりも短い時間軸の足を確認すると、価格の推移をもう少し詳しく知ることができるでしょう。

このように、ローソク足は1本の足を見るだけでも、たくさんの情報を読み取ることができるのです。
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