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複数の並びがより効果的
ローソク足は1本からでも多くの情報が得られ、その中でも特徴のある足型は、先行きの相場の変化を暗示している可能性があると捉えられる、チャート分析に欠かせない材料です。
しかしながら、出現するタイミングによっては捉え方が変わってくることもあり、単体ゆえの曖昧さや不確実性があることも、否定できません。
そのため、チャート分析では分析の確度を上げるため、複数のローソク足の組み合わせで相場の強弱や先行きの方向性を予測する方が、より現実的と考えられています。複数のローソク足の特徴的な組み合わせにも、相場の変化を暗示する可能性があるものには、それぞれ名前がついています。
特徴的な組み合わせには、2本のローソク足から成る「二本足」、3本の配列による「三本足」、酒田五法などに代表されるような、ある程度の期間をかけて形成される「複数足」のパターンがあります。
FXと他の金融商品の違い
複数足のパターンは、相場の天井や底を示唆する典型的な形として、FXトレーダーの間でも広く知られています。しかし、FXでは特徴的な二本足や三本足の組み合わせは、それほどたくさん出現しません。FXには、株や先物とは異なる特徴があるからです。
二本足や三本足の特徴的な組み合わせには、「窓(空)」と呼ばれる、ローソク足と次のローソク足の間にできる値幅の空間を伴ったものや、前後のローソク足が重なるように並んだパターンが多く存在します。

チャート分析は、日足チャートをもとに発展してきました。日足チャートでは、上の図の左側のように、前日のうちに買い方のパワーが消化しきれず、前日の終値と当日の始値に差が生じることがよくあります(逆も同じです)。
また、前日の取引が終わってから当日の取引がはじまるまでに相場を動かす材料が出ると、上の図の右側のように、当日の動きが前日までとは一変することがあります。株式における企業の決算発表などは、その代表例です。当日の取引がはじまるまでに出た材料やニュースで、当日の取引開始から注文が一方向に膨らんだ結果、前日までの流れが加速したり、一気に反転へ向かうことも少なくありません。
二本足や三本足の特徴的な組み合わせの多くは、こうした要因の中で発生します。そして、それがチャート分析の対象にされてきました。
ところが、外国為替のマーケットでは、土曜日と日曜日を除けば基本的には24時間、常に休むことなく取引が行われています。FXも、原則として休みなく取引することができます。
日本時間午前7時(米国のサマータイム中は午前6時)に営業日は変わりますが、価格自体は途切れることなく、連続性をともなって推移します。平日に取引できない時間帯はほとんどないので、基本的に為替のチャートには窓が開かないのが普通です。

もちろん、窓がまったく開かないわけではありません。典型的なのは、週末を挟む場合です。金曜日の取引が終わってから、翌週の月曜日の取引がはじまるまでに、為替相場を大きく動かすようなニュースがあれば、金曜日の終値と月曜日の始値の間に窓が開く可能性があります。

また、ほとんどのFX会社が日時精算などを行うためのメンテナンス時間を設けていて、その間は基本的に取引ができません。メンテナンスは営業日が変わる前後の、おおむね5分~15分程度ですが、もしもその間に為替相場が大きく動けば、メンテナンス直前とメンテナンス直後の価格に差が生じて窓が開いたり、ローソク足が重なることも考えられます。
FXのチャートに二本足や三本足の特徴的な組み合わせが出現しないとは言い切れません。FX以外の金融商品を取引するときのためにも、覚えておいて損はありません。
前置きが長くなりましたが、まずは「二本足」の特徴ある組み合わせの中から、代表的なものをご紹介していきます。
包み線
前日のローソク足をすっぽり覆う大陽線や大陰線が「包み線(抱き線)」です。前日の上下のヒゲの部分を完全に覆い隠せていなくても、実体が長ければ包み線とみなすこともありますが、完全に覆い隠しているものが理想型です。

当日のローソク足が陽線なら「陽の包み線」、陰線なら「陰の包み線」と言います。「陰線→陽線」もしくは「陽線→陰線」の組み合わせが効果的で、陽線同士、陰線同士の組み合わせは、あまり意味がないと考えられています。
どちらも前日の動きが否定され、相場の流れが変わったことがわかります。
陽の包み線は、相場が安値圏と思われる付近で出現すると、上昇に転じる可能性を強く暗示していると捉えられます。
陰の包み線は、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、下落に転じる可能性を強く暗示していると捉えられます。
見た目にも判断しやすいので、二本足のもっとも典型的なパターンとして知られています。
包み線の多くは、対象となる2つのローソク足の値動きを1本のローソク足にまとめて表現すると、陽の包み線はカラカサ(タクリ線)に近い下ヒゲ陽線、陰の包み線はトンカチに近い上ヒゲ陰線となります。ここからも、相場の変化を暗示している可能性があることが、わかると思います。

かたや、陰線同士や陽線同士の包み線は、一般的な下ヒゲ陽線や上ヒゲ陰線に似た足型となります。まったく意味がないとは言い切れませんが、出現するタイミングで捉え方も変わってくるので、翌日以降の動きを見極める方が無難と考えられています。

はらみ線
前日の実体の中心部分に、すっぽり収まるように出現した小陽線や小陰線が「はらみ線」です。前日の足を母親、当日の足を胎児に見立てて、こう呼ばれています。
上下のヒゲが前日の足から少しはみ出ていても、前日の実体が比較的長く、当日の実体がその中にあれば、はらみ線とみなしますが、完全に収まっているのが理想です。

前日の流れが打ち消されて、買い方と売り方のパワーが拮抗していったことがわかります。これまでの流れが一服して、今後、相場が転換していく可能性を示唆していると考えられます。
陽線同士や陰線同士の組み合わせも、相場の変化を暗示していると解釈されますが、陰線→陽線の「陽のはらみ線」か、陽線→陰線の「陰のはらみ線」の組み合わせの方が、効果的な場合が多いと言われています。
陽のはらみ線は、相場が安値圏と思われる付近で出現すると、上昇に転じる可能性を強く暗示していると捉えられます。
陰のはらみ線は、相場が高値圏と思われる付近で出現すると、下落に転じる可能性を強く暗示していると捉えられます。
はらみ線が寄引同時線のときは「はらみ寄せ線」と呼ばれ、一般的なはらみ線よりも、相場の転換を強く暗示していると解釈します。

特に、相場が高値圏と思われる付近で、陽線のあとにはらみ寄せ線が出現すると相場が天井を、安値圏と思われる付近で陰線のあとにはらみ寄せ線が出現すると相場が底をつける傾向が強いため、非常に重要な組み合わせとみなされています。
かぶせ線

前日が実体の長い陽線で、その流れを引き継いで高く始まったものの、買いの勢いが衰えて前日の実体の中心部より安く終わった足型が「かぶせ線」です。陽線→陰線の並びが当てはまります。前日の勢いが当日のうちに吸収されて、売り方のパワーが上回って終わったことがわかります。
上の図のように、終値が前日の実体の中心部より安いものが、かぶせ線として有効とみなされます。相場が高値圏と思われる付近で出現すると、下落へ転じる可能性があることを暗示していると言われています。
切り込み線

前日が実体の長い陰線で、その流れを引き継いで安く始まったものの、売りの勢いが衰えて前日の実体の中心部より高く終わった足型が「切り込み線」です。「切り返し線」とも呼ばれ、陰線→陽線の並びが当てはまります。
かぶせ線の逆のパターンで、終値が前日の実体の中心部より高いものが、切り込み線として有効とみなされます。相場が安値圏と思われる付近で出現すると、上昇へ転じる可能性があることを暗示していると解釈されます。
終値が前日の実体の中心部より安かった場合は、次の回でご紹介する「差し込み線」と呼ばれる足型になります。
(最終更新日:2021年4月6日)
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